【2020年最新版】JavaScriptの人気フレームワーク4選を徹底比較してみた【jQuery・React・Vue・Angular】

『どのJavaScriptフレームワークを習得するか迷っている』
『最も人気なJavaScriptフレームワークはなんなの?』
このような疑問をお持ちの方は多いと思います。
今回はそのような方々に向けて、JavaScriptの人気フレームワーク【jQuery・React・Vue・Angular】それぞれの特徴についての解説、各フレームワークの徹底比較をしたいと思います。
JavaScriptは今やWeb系プログラマーには必須の技術となっており、『3年後仕事で使えそうなプログラミング言語』の調査では堂々の1位となっています。
このように、JavaScriptの人気が上昇した理由の一つは、フレームワークの充実性が関連しています。
より自分にあったフレームワークを身に付けておけば、開発の効率性は圧倒的に向上しますので、もしどのフレームワークを使用するべきか悩んでいる方は本記事を参考にしてみて下さい。
JavaScriptフレームワークの特徴
jQuery
Webブラウザで稼働するJavaScriptをより簡単かつ効率的にコーディング出来るよう、便利な機能がまとめられているフレームワークです。JavaScriptよりも短いコードで実装可能であるため、短縮簡易版として使用できます。
皆さんはjavascriptを使用していて、「記述が冗長でめんどくさいな…」と感じたことがありませんか…?
jQueryはその悩みを解決してくれます!
以下コード例です。どちらも同じ挙動を表しています。(id=”test”のclass属性を抽出)
/* JavaScript */
document.getElementByID(‘test’).getAttribute(‘class’)
/* jQuery */
$(‘#test’).attr(‘class’)
このように、jQueryではJavaScriptの冗長な記述をコンパクトにしてくれます。その他にも、ブラウザの違いを吸収してどのブラウザでも同じコードで動作するようにしてくれたり、読み込みや拡張が安易に行えるといった特徴があります。
ただjQueryでは、新しくjQueryオブジェクトというものを定義し、1からメソッドを追加することで実現しているため、パフォーマンス的にはあまりよくないです。
ただ、それでも現在存在するWEBサイトの70%以上でjQueryが使用されており、まだまだ現場でも使用されているライブラリなので、学ぶ価値は十分あるかと思います。
- JavaScriptより簡単かつ短いコードで実装可能(短縮簡易版)
- 全Webサイトの70%以上で使用されている
- パフォーマンスは他のフレームワークに比べて劣る
React
Reactでは、仮想DOMというものを設計してからDOMを作成するため、処理のスピードが速くWebページの表示を高速で切り替えることができます。
最近人気なSPA(Single Page Application)に必要な高速な動作速度を再現できるため、SPAと非常に相性のいいライブラリです。
また、Reactは『JSX』という記述方法を利用しています。JSXとは、HTML風に書けるJavaScriptの拡張構文でして、React要素を簡便な形式で作成することができます。
ただし、見た目はHTMLとは大きく異なり、CSSもJSXに組み込むように書くことが多いので、初めは見慣れずに違和感を感じるかもしれません。
以下コード例です。
function formatName(user) {
return user.name + 'is' + user.years + 'years old.'
}
const user = { name: 'Takuya', years: '18' };
const element = ( {formatName(user) }
ReactDOM.render(
element,
document.getElementById('root')
);
このように、JSとHTMLが組み合わさった記述となっています。
また、Reactを習得することで、React Nativeも扱えるようになります。React Nativeとは、Reactを利用してAndroidやiOSアプリを開発できるようにしたものです。
【Instagram・Facebook・Skype】などの有名アプリはReact Nativeによって作られています。もし「Webもアプリも両方開発したい!」という方はReactを学ぶことをおすすめします。
- 仮装DOMのため、処理スピードが早い
- 記述方式はJavaScriptの拡張構文『JSX』
- Reactを習得することで、アプリ開発に特化したReact Nativeも扱える
Vue
Vueは、仮想DOMの活用しており、コンポーネント構造のためReactと類似点が多いです。
大きな違いとしては、コードの記述方法にあります。Vueは『Templates』(HTML ベースのテンプレート構文)という記述方法を利用しています。Templatesは、冗長な記述なしに『HTML/CSS』を中心に書けるのが特徴です。
以下コード例です。
<template>
<p>{{ name }} is {{ years }} years old.</p>
</template>
<script>
module.exports = {
data: function () {
return {
name: 'Takuya',
years: '18'
}
}
}
</script>
<style scoped>
p {
color: #333
}
</style>
Vueでは基本的にHTML・JS・CSSを3つのエリアに分けて記述するため、一般的な多くのWeb開発経験者は取り組み安いかと思います。
このように、Vueはシンプルかつ自由度が高いJavaScriptフレームワークで、学習コストが低いため多くのエンジニアが愛用しています。
- Reactと類似点が多い
- 記述方式は、HTML/CSSを中心に書ける『Templates』
- 学習コストが比較的低い
Angular
Angularの一番の特徴はフルスタックということです。ルーティングを含め、webアプリケーションに必要な機能すべてが最初から備わっています。
一見フルスタックというのはメリットしかないように思えますが、デメリットもあります。
最初から機能が全部備わっているため、ライブラリ選びに時間を費やさずに済みますが、不要な機能を排除できないデメリットがあります。そのため、小規模なプロジェクトならインポートする方が効率的なのに、依存性の注入(DI)をすることで、得られる利点以上に負荷がかかるという問題が起きるので注意が必要です。
開発の規模としては、大規模なプロジェクト向きです。始めからAngular流で進めなければならないため、ちょっと試すという使い方は難しいでしょう。堅牢さと厳密さはフレームワークの中で最も高いです。
- インストール直後から一般的なアプリ開発に必要な機能をすべて利用可能(フルスタック)
- 大規模なプロジェクト向き
- 習得難易度は高め
JavaScriptフレームワークの比較
Googleの検索数推移
こちらのグラフは、Googleの検索数推移を表しているものです。【青:jQuery 赤:React 黄:Vue 緑:Angular】
結果は【jQuery・React・Vue・Angular】の順になりました。
見てわかる通り、jQueryが少しづつ下降しています。
React・Vueに関しては、SPAの影響もあり近年検索数が上昇しています。3年後にはjQueryを追い抜き、React・VueどちらかがJavaScriptフレームワークの覇権を取ることになりそうです。
Angularに関しても、少しづつではありますが安定的に上昇していまが、React・Vueほどの伸び率は無いようです。
npmのダウンロード数推移
npmとはNode.jsのパッケージを管理するツールで、様々な便利なパッケージをコマンドを打つだけでダウンロードできます。今はフロントエンド開発で欠かせないものとなっています。
そのダウンロード推移を表しているのが下記のグラフです。
【橙:React 赤:jQuery 緑:Vue 青:Angular】
結果は【React・jQuery・Vue・Angular】の順となりました。ここ一年でReactの伸び率が凄まじいですね。
npmのダウンロード数と実際の現場で使用されている技術には一定の相関があるので、4つのフレームワークの中で最も多いReactは、やはり仕事も増えてきているのではないかと思われます。
初心者はどのJavaScriptフレームワークを選択するべきか
初心者は、現在モダンで今後の伸び率も期待できるReactかVueのどちらかを選択することをおすすめします。
ただ、それぞれ利用者に対するスタンスが異なるため注意が必要です。
- React:開発者としてスキルや設計などについて中長期的にレベルアップを図りたい方
- Vue:JavaScript等にあまり深入りせずにWebアプリを簡単に書きたい、あるいは効率的に書きたいという方
Reactは利用者が『開発者』であることを想定していますが、Vueは利用者が『ユーザー』であることを想定しています。
あらかじめフレームワークの使い道を明確にした上でどちらか選択するべきです。
もし迷っている方は、一度簡単なToDoアプリなどを開発し、自分に合っていると思ったフレームワークを選択するのが無難かと思います。
まとめ
今回は、それぞれのJavaScriptフレームワークの特徴と、各フレームワークの比較をしました。
アプリケーションや環境によって選択するフレームワークは変わってくると思いますが、根底となるJavaScriptの力をきちんと身につけておけば、どのフレームワークを選んだ時にも対応出来るはずです。
ぜひこの機会にJavaScriptフレームワークに挑戦してみて下さい!